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ノリウツギ (糊空木) ユキノシタ 科

*装飾花・・・虫たちをよび集める役目をしている。

*装飾花・・・虫たちをよび集める役目をしている。
葉や葉柄をちぎると糸を引く。これは螺旋導管で中が螺旋状になっているので切れにくい
山地に生える落葉低木 
 樹高:2〜5m  花期:7〜9月

樹皮から紙を漉く時ののりを採った。

白く目立つのは装飾花(中性花)。
本当の花は、枝の頂上に円錐状の花序で、中心部に小さな両生花が多数つく。

樹木の個性を 生活に生かす
■■■樹木の個性を 生活に生かす■■■
しなやかな材質がいろいろな用途に使われる樹木

樹皮の内皮に含む 粘質物を、和紙を漉
(す)くときの の糊として使ったことからこの名がある。
ノリウツギから採った糊
(のり)を混ぜることで 漉(す)いた紙同士がくっつきにくく 、しかも腐りにくいそうである。

材は白く光沢があり、杖や傘の柄、クギなどに 使われる。また、根から作られるパイプは 愛煙家の間ではよく知られていて、アイヌの人たちがこの材でつくったものを”サビタのパイプ”と呼ばれているようである。

しなやかでよく曲がり、まっすぐに裂けやすく、編み物に使えそうな材

若い幹は髄が柔らかく剥がれやすく、木部は細工しやすいようだ

装飾花と匂いにに誘われて昆虫たちが集まる

冬になっても残る花序の様子

一つの花序に両性花と中性花(装飾花)という二つのタイプの花
県民の森では、エゾアジサイ,ノリウツギ,ケナシヤブデマリ,ムシカリ、カンボク,ツルアジサイなどが見られる。
≪ノリウツギ≫

花粉媒介昆虫に対し,花序全体を視覚的にアピール
■■■花の形態だけでなく,人間には見えない色彩や,匂いなど総合的に利用している■■■
手前の白く大きいのもが装飾花
奥の細かいのが両性花
基部から先端に向かって開花
<生殖機能をもたない装飾花>
昆虫が花粉や蜜を求めてやってくるが、極めて小さく貧弱
<生殖機能をもつ両性花>
一個の花は小さいが雄蕊・雌蕊は中性化に比べはるかに大きい
県民の森では、エゾアジサイ,ノリウツギ,ケナシヤブデマリ,ムシカリ、カンボク,ツルアジサイ,イワガラミなどが見られる。

両性花/ハナカミキリ

両性花/ヨツスジハナカミキリ

両性花/ハナバチ
両性花は完全な雄しべ・雌しべ゙を持ち、花冠や萼が非常に小さい
両性花が小さいのは、限られた面積の中で花の密度を高くすることによって、昆虫の訪花による受粉の効率を高めるためであると考えられている。

中性化

中性化→←両性花

両性花/アオカミキリ
中性花は雄しべ・雌しべが退化しているか、あったとしても種子ができない。
その代わり昆虫の目を引くために、花冠や萼片が大きく発達。
まず、目立つ装飾花にアプローチし、次第に隣の両性花へと移っていく傾向があるように思える。

中性化から両性花へ移動

中性化/ハナカミキリ

中性化/ヨツスジハナカミキリ
虫を呼ぶ必要がなくなったら、やはりサインを出すのだろうか?
装飾花が次第に裏返しになっていく
花が終わりかけで装飾花は裏返っているのもある 花序全体の花が終わった状態で、昆虫はやってこない 完全に裏返った装飾花を上から見たところ 完全に裏返った装飾花を下から見たところ